札幌の朝は都会のにおいがした。
いままで田舎を巡ってきたので逆にそんなことを強く感じた。
旅も後二日で終わることもあり、なにかもっとやらなきゃとか名残惜
しさがごちゃ混ぜになって複雑な気分だった。
朝、エンジンの調子がおかしい。
今までとは大きく違い4気筒が2気筒になっているようなエンジン音
になっている。詳しく調べるとイグニッションコイルにつながっている
線がとけてアースしていた。
応急手当をして済ませたがいつまた止まるかわからない。
不安が残るまま、今日はまず羊ヶ丘展望台に行った。札幌ドームの
裏手にあるクラーク博士の像がある有名な展望台だ。
そこで面白い光景を見た。
羊が数頭トラックに乗せて連れて行かれようとしていたのだが、
羊vs人間の知恵比べが始まった。
人間に追い込まれる羊、
目当ての羊をとらえようとする人間、
その間を逃げまどう羊、
でも網をかけられ捕まる羊。
そして目当ての羊が人間に捕まると、なんと ほかの羊は逃げずにその捕まっ
た羊に向かって鳴き始めた。
それもすごい悲しい鳴き声で。
羊にもこれから食用(ジンギスカン)にされるということがわかっているようだっ
た。
そこから小樽に向かい、余市からニセコ方面へ抜けて函館を目指した。途中の
ニセコで飲んだヨーグルトがとてもおいしかった。
函館に着くと静岡まであと1000キロあるにも関わらず、「ツーリング終了」とい
う気分になった。
駅前朝市に行って回転寿司(ここは夕方はお奨めしない)を食べていたらフェリ
ーの時間を間違えていたことに気づき、急いでフェリー乗り場に向かったがタイ
ムアウト。
仕方なくキャンセル待ちをして函館朝市に再び戻った。
フェリーは次の便に乗り、青森到着は夜11時頃。
そこから、次の日のことも考えて行けるところまで行こうということになった。
青森の気温は9℃。北海道も10℃前後だったがもっと寒い。
さらに高速道路を使用するので体感温度はかなりの低さだった。
何度ヘルメットの中で『さみぃ〜〜〜〜っ!』と叫んだことか。
そして寒さと眠気と闘いながら安達太良SAに着いた。
ここまでくれば翌日はそんなにたいした距離じゃないので
ここのSAでうどんを食べて暖をとり、行きの時と同じように机に伏して寝た。 |

札幌大通公園 |