知床峠で手紙を書き、
何も見えないので、久しぶりにフレペの滝へ行こうと山を降りる。
ここ数年でよく見かける、路肩の野生動物たち。
自分が小学生のときに行った、知床博物館の夜の野生動物観察ツアーとはえらい違いだ。
そのときは、数百メートル先にいるエゾシカも、
人間を見たら尻尾をひっくり返して白いお尻になって逃げ出していた。
だから、エゾシカを見る機会は今ほどはなかった。
いまは、こんな状況だ。
人間が襲ってこないということをしっかりと理解している。
これを 『 野生 』 と呼んでよいのだろうか?
バッチリ カメラ目線でいやがる。
こうなったのも 『 世界遺産 』 になって、
野生動物の 『 過剰な 』 保護 がこの事態を招いているような気がする。
一時期、観光客の野生動物への餌やりがこの引き金になっているとも聞くが、
あえて言わせてもらうと、
これは本来の知床ではない。
そして、野生でもない。
檻や柵のない、調教された大きな動物園である。
世界遺産登録された時点で、観光地化および自然環境破壊になることは目に見えていたけれど
故郷がこういう変わり方をするのはあまりにも悲しい現実だと思う。